知ると意外な英単語001 「peace」

ピースサインまたはVサインと呼ばれるものです。この「V」は何を指すかご存知ですか?
はい、victory「勝利」です。これはどのような状況で使われるようになったと思いますか?
勿論野球などのスポーツが発祥ではなく戦争です。相手に「勝利」して「平和」が訪れるのです。
そう考えると写真撮影の時にピースサインをするのは変と言えばかなり変ですね。
更にpeaceの語源について見て行きましょう。この語源はラテン語のpax「平和」です。
パクス・ロマーナあるいはパクス・アメリカーナという単語は聞いたことがありますか?
世界史で習ったことがあるかもしれません。
もちろんパクスはpaxです。前者は「ローマの平和」という訳語があてはめられます。しかし少し注意が必要です。
ローマの平和とは、ローマが平和であったという意味ではありません。覇権国家ローマのあまりに強い軍事力を背景にした秩序と安定を意味します。他の国はローマが怖くて手が出せなかったわけですね。
英語ではpactというpaxが語源の単語があります。これは「協定、条約」などの意味です。お分かりでしょうか?
つまり戦争状態である国が「協定」を結び「平穏」が訪れるという仕組みです。
ローマも様々な周辺国と協定を結んでいました。
パクス・アメリカーナ、パックス・アメリカーナという表記されることもありますが、この言葉は勿論パスク・ロマーナからとった言葉でしょう。アメリカの強大な軍事力を背景にした平穏です。アメリカは「世界の警察」などと言われたこともありましたが、これは最近ではかなり怪しくなってきました。
どうですか、peaceという言葉。戦争があって平和が訪れる。しかしそれは永続的でないという含みもあり、音の響きほど優しい単語ではありません。